千葉中央市街から車で1時間、旭市郊外に入ると緑色に広がるたんぼが見え始めた。 そこからしばらく車を走らせると椎名牧場が経営する焼肉店 しいな牧場についた。
そして、今回お話を伺わせていただく椎名さんの案内で牧場に向かうことに・・
椎名牧場に向かうとまず聞こえたのは牛の鳴き声だった。想像していたよりもずっと大きな鳴き声の方を見るととてもきれいな毛並みをした牛たちの姿があった。椎名さん曰く毛並みがきれいな理由はブラッシングなどではなく、牛の体調管理をしっかりしている証拠。病気になると毛艶も変わります。飼料には主に米ぬか、醤油の絞りかすなどを配合し発酵させたものを使っていて、この飼料を使うと牛たちの食い付きがいいことに加え、 どうやら飼料に入っている米ぬかのおかげで、牛の旨味成分が多くなっているかもしれないと語っていた。
循環型農業
右の写真で椎名さんが手に持っているのはもみがら。 このもみがらは牛舎にひくためのもので、収穫が終わった農家さんが持ってきてくれて、 そのお返しに牛の糞からつくった肥料を渡しているという。
消費者直結の農業
しばらく牧場をまわったあと椎名さんの案内で2013年の5月に開店した「焼肉 しいな牧場」でお話を伺わせていただいた。まずなぜ焼肉店を開いたかを伺うと、目的は「消費者直結の農業」だった。 椎名さんは、自ら加工、販売することにより輸送コストを削りお客様に低価格で商品を提供することができると考え、 平成14年には近隣の農家の方が作られた野菜や卵、 その加工品などの販売している農産物直売所あんしん村(焼肉椎名牧場と併設)、 今年には焼肉しいな牧場を設立したという。そして、消費者直結型の農業をモットーにしているはもちろんお客様のことを考えてのことだが、 それは牛の事も考えての事だという。
椎名さんは思春期の頃、自ら育てたかわいい牛たちを殺して 食べてもらおうということから牧場は罪な商売だと思ったという。さらに牧場を継ぐ以前に都内のステーキレストランで働いていた時、 お肉を残すお客さんを見て、 何も知らずに食材を粗末にするのはもっと罪なことなのではないかと感じたのだという。そういった経験から椎名さんは、せめてお客様が喜んで牛たちを消費してくれるようにしたいと考え、 焼肉店、あんしん村を設立したという。そのためもちろん焼肉店では低コストでお肉を提供をしている。 さらにお肉の筋肉を考えた最適な切り分けができ、 お肉のことをお客さんにちゃんと説明できる「肉の職人」がいるお店を心がけていると語っていた。
地元のものを食べてもらいたい
右の写真は、椎名さんが開発したお肉に合う焼酎。 原料は千葉のお米でできており、他にはサイドメニューの麺類も千葉のお米の米粉から作っているという。 焼き肉店を開店したのは地元の肉以外のおいしいものも食べて欲しいという思いもあるのだという。
実食
帰りに直売所あんしん村で運よく椎名さんからお肉をいただき、早速夕食で焼肉にして食べてみることに!椎名牧場のお肉は旨味成分が普通の牛肉よりも多いといことを聞いていたが食べてみて納得! 脂が甘く、あっさりしていて赤身がやわらかく、 いくらでも食べられる!と思える文句なしにおいしいお肉でした!椎名さんが掲げている「消費者直結の農業」はお客さんの事だけではなく、 牛たちの命のことも考えている。 そのことによって牛たちが大事に大事に育てられ、調理、加工されるので 結果的にお客さんのもとに安くておいしいお肉が届く。 この「消費者直結の農業」という皆が笑顔になれる素晴らしい考えが もっと全国に広まって欲しいと思いました。
インフォメーション
直売所「あんしん村」
所在地:千葉県旭市井戸野3642-1 電話番号:0479-60-1338
焼肉 しいな牧場
所在地:千葉県旭市井戸野3642 電話番号:0479-62-3334
椎名牧場ホームページ