スタッフコラム

『蘭をより身近に感じてほしい』 有限会社 椎名洋ラン園

蘭との出会い

ご実家が農家、しかも長男ということで後を継がなくてはいけなかった椎名さん。しかし農家をそのまま継ぐのは嫌だったそうです。 高校卒業後、茂原農高農業特別専攻科に進学、そこでの研修で蘭に出合います。当時蘭はまだ世間であまり知られておらず、 単価も高く競争相手も少なかったことから椎名さんは蘭農家の道を選びます。 最初から胡蝶蘭を栽培していた訳ではなく、最初はシンビジウム農家だったそうです。 シンビジウムは夏は高地で育てる必要があり、夏になると千葉から長野まで運んでいました。 しかし次第に競争相手が増え、輸送コストのかかる千葉県では戦えなくなってきてしまったそうです。

胡蝶蘭での成功

出荷待ちと店内に飾られた胡蝶蘭

そこで椎名さんが次に目を付けたのは胡蝶蘭でした。 客から「蘭は高いし、大きい」と言われたことをヒントに品種改良を重ね、 従来の胡蝶蘭よりもずっと小ぶりで価格の安いミディ胡蝶蘭「リンリン」と「ランラン」の開発に成功したのです。 それぞれ一万本ずつ販売したところ非常に評判がよく、ミディ胡蝶蘭は椎名洋蘭園の主力商品となっていきます。 「胡蝶蘭はお店の開店祝いなどのお祝いに贈るものと思われているけど、 ミディ胡蝶蘭は自宅用以外にもちょっとしたプレゼントや母の日・バレンタインデーの贈り物、 変わったところではセールスマンが営業先に持っていくプレゼントにも使われているんだ。」と、おっしゃっていました。

品種改良を重ねて

ハウスの中を紹介する椎名さん

椎名さんは同業者との競争に勝つためにはコストダウンと品種改良による さらなるオリジナル種の開発が必要だと考えます。 そこで、花が付く寸前まで苗を海外で育成することでコストの半減に成功、 品種改良にも精力的に取り組みます。 品種改良は交配によって行うそうですが、当たり外れが大きく苗に出来るのは20%程度だそうです。 さらに、この苗を増やすためにバイオクローンを利用するそうですが、 この増殖率にもばらつきがありせっかくいい苗が出来てもなかなか増やせなかったりと品種改良は先が読めなく、 数を作ってモノになるものを探すために、年に数百もの交配をして常に前に進む努力をされています。

ミディ胡蝶蘭を世界へ

胡蝶蘭を少しでも身近に感じてもらい、広めていくために事業を拡大して海外進出もされています。 今は欧米に向けて販売されていますが、新たな市場として中国に進出する為に現地企業と合弁会社を設立、 中国での販売にも力を入れていかれるそうです。 国によって人気の花の色が違うらしく、例えば日本では桜色、海外では濃い色が好まれるそうです。

椎名洋蘭店の世界らん展日本大賞2013受賞作品

インフォメーション
通常の胡蝶蘭は大きくて存在感があるけれど一般家庭ではちょっと飾るスペースの確保が難しいですよね。 その点、ミディ胡蝶蘭はテーブルに飾っておいたりするのにちょうどいい大きさだと思います。 ぜひ一度ご覧になってみてください。 椎名洋蘭園さんのHPでは通販、胡蝶蘭の種類・品種の紹介、手入れの仕方などが詳しく紹介されています。
リンク:http://www.ranran.co.jp/

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