遠山梨園について
県内トップクラスの梨の生産量を誇る市川市に、地域の方々との繋がりを重視した取り組みをおこなっており、 過去「千葉なし味自慢コンテスト」において農林水産大臣賞を受賞した梨農家さんがいらっしゃいます。それが、今回ご案内致します遠山梨園さんです。遠山梨園でのこだわりについてご覧いただきたいと思います。
こだわりの梨
遠山梨園では、梨の栽培から販売に至るまでにおいて細やかな気配りが随所になされていると、小泉さんは語ります。通常の果樹園といいますと、敷地いっぱいに果樹が敷き詰められていて、木々の葉っぱが空を覆っており、 どことなく鬱蒼とした雰囲気を持っているようなイメージがあります。しかし、遠山梨園では梨の木々の間隔を広めに確保しているため、日当たりや風通しが良く、清潔感のある環境での栽培を実現しています。 梨の栽培においてこれらの要素は重要なものとなっています。 良い日当たりは梨の甘味や風味を豊かにし、風通しが良いと梨の木を病気や害虫から守る効果があるのです。ただ、同時に収穫量も減ってしまうという欠点もあります。 ですが、遠山梨園では訪ねてくださるお客様に美味しい梨を食べて喜んでもらうことを第一に、 収穫量よりも品質に重点を置いた栽培を行っているのです。
送り届けるまで
このようにこだわりをもって栽培されている梨ですが、一般の市場では流通していません。 なぜでしょうか?市場に流通させていたほうが、より多くの人々に食べてもらえるようになるのではないかと思えます。この疑問の答えも、やはり遠山梨園のこだわりによるものなのです。梨は林檎などと比較して足が早い果物であります。 そのため、時間を置くと品質が落ちやすいという欠点があるのです。 そこで、遠山梨園では鮮度の高い梨を提供するために収穫から販売に至るまでの過程にも工夫がなされています。まずは早朝に梨園の方より梨を収穫し、9時頃より販売を開始します。 そして12時を迎える頃にはなんと販売を終了してしまうのです。 つまり一日の中でわずかに3時間だけ販売を行っているのです。 梨を栽培するだけでなく、その取り扱い方やわずかな鮮度の差に至るまで細心の注意を払われている様からは、 梨を大切にしているということが伺えます。この様にして、常に最高の鮮度をもった梨を私たちに提供してくれているのです。
また、販売の時間だけでなく販売の方法についてもこだわりがあります。それは、直売所で直接消費者の方に対面販売を行うということなのです。 遠山梨園では、地域住民の方々との繋がりを非常に重視しています。 訪ねてくださるお客様一人ひとりに確かな品質の梨を直接販売しているのです。 この丁寧な対応によって、毎年多くの方が梨を買いに訪れてくださるそうです。この様に、梨の鮮度や直売という販売形態に強いこだわりがあるからこそ、 自分の目が行き届かない市場には安易に流通させることができないのです。
お客様への気配りも忘れない
梨は自然の生産物でありますので、中には形の悪いものなども出てきてしまいます。 もちろん、形は多少不恰好であってもこだわり抜かれた品質に変わりはありません。 しかし、そのまま販売してしまってはお客様を少し残念な気持ちにさせてしまう事になるでしょう。 贈答品に使おうと思っていらっしゃるお客様にも都合が悪いです。ですが、遠山梨園では梨だけでなくお客様への気配りも忘れません。 この様な梨の中で品質に問題のない物ならば、サービス品として安価で提供しているのです。これなら、人に贈ることのできるものと自分で食べるものをお客様の方で吟味していただく必要もなく、 更に通常よりも安く買ってもらうことができるのです。 ただ美味しい梨を食べたいという方にも嬉しい販売形式ですね。また、遠山梨園では以前の消費税の導入・増税の際にも、値段は据え置きで販売を行っていたとの事です。 今後はどうなっていくかは分からないとのことでしたが、 多くの利益を得ることよりもお客様に喜んでもらえることを第一に考えていらっしゃるのだそうです。ですが、逆にサービス品以外に値段を下げて販売するということもありません。 これは、値段を下げるということは商品自体の価値を下げる事につながってしまい、 梨の品質を認めた上で買ってくださるお客様に失礼であるからです。お客様には良い品物だけでなく、満足感も持ってもらいたいという考えが伝わってきます。
梨ジャムの販売
こだわりの梨を私たちに提供してくださっている遠山梨園。 こちらの直売所ではただ梨を販売するだけでなく梨ジャムの販売も行っています。こちらの梨ジャム、保存料や添加物などはおろか、通常はジャムに用いられる砂糖やレモンすら使用されていないため、 一度開封してしまうと保存が効かなくなってしまうことに注意が必要です。 そのかわり、混ざり物のない純度100%の梨のジャムを味わうことができます。未開封の状態であれば、通常の梨よりも比較的長期間保存ができるため、土産物などとしても人気がある商品です。
地域の方々との繋がりを通して
遠山梨園の方では、およそ10年程前より地元の小学生が梨に関する勉強をする際に梨園の提供を行っています。そうして梨について学んだ児童たちからは、模造紙に一人ひとりのメッセージが載せられた感謝状が送られてきたり、 実際に家族と一緒に梨を買いに来てくれるようになる子もいるなどしていて、好評であるそうです。遠山梨園では、梨に興味を持ってもらいたく思って活動に参加しているため、この結果は非常にうれしいものであるとのことです。
実際に食べてみた
せっかくなので遠山梨園からいただいた梨を食べてみようと思います。こちらの梨、実際に持ってみますと大きさの割になかなかの質量感があります。これは楽しみです。適当に切り分けて口に含んでみますと、キメの細やかな果肉がなめらかな舌触りと口当たりを醸し出しています。 そのまま一つ噛んでみますと、溢れ出る果汁が梨の爽やかな甘味と香りを口の中いっぱいに広げて行きます。 含まれているの果汁の量も凄いの一言です。実が引き締まっていて果肉の密度が非常に高いのですが、それが歯触りを妨げることもなく絶妙なバランスを保っています。 また、繊維も整っていて噛むたびに潰れることなく小気味よく割れていくため、最後までシャクシャクとした食感を味わうことが出来ます。濃厚な甘い香りも後を引かず、後味まですっきりとした味わいに仕上がっていて、すぐにもう一つ食べたくなってしまう一品です。 普通の梨との質の違いに驚かざるを得ません。ですが、今回の梨はこれで全部でした。残念。是非とももう一度いただきたいですね。皆さんも一度ご賞味ください。
インフォメーション
直売所:千葉県市川市北国分4-16
TEL:043-371-9200(8月1日から9月30日、10時から14時頃まで受付)